2022年版日記・手帳特集

 

今年も展開が始まっている日記・手帳商材。コロナ禍により、市場動向が例年から大きく変わった2021年版の実績と、それを踏まえ、各社から新商品も多数展開される2022年版の展望について、日本出版販売(日販)とトーハンの担当者に話を聞いた。さらに、各版元の今年のイチオシ商品も紹介し、22年版日記・手帳の最新市場情報をレポートする。

 

コロナ禍でも善戦した21年版

 

 昨年21年版1月始まり日記・手帳(20年9月~21年5月)の販売実績は、日販、トーハン両取次ともに前年対比で減少した。20年版に引き続いてコロナ禍による影響が出ているが、書籍ジャンル全体の同期間と並行した実績でもあり、日記・手帳が落ち込んでいるわけではない。また書店の休業や時短営業にあたらなかった地域では前年対比を超えたところもあり、日記・手帳需要は依然として存在している。

 

新しいライフスタイルに変化

 

 コロナ禍に伴う学生やビジネスパーソンの新しい生活様式も、日記・手帳市場に変化をもたらしている。
 PCやタブレットを用いたリモートでの在宅仕事や授業が増えたことで、スケジュールをそのままデジタルで管理する人が増加。一方で、プライベートな内容や日々感じたことを記録するといった用途も増え、日記・手帳の需要は新しい形に変化している。
 来店客についても、外出を控え、近所で買い物を済ませる傾向が増し、書店でも客層が変動したため、前年までとは違うリピーター需要の予測も必要となってくるという。
 また、日記・手帳と近しい商材であるカレンダーも21年版の動きが良く、在宅環境になったことで、個々人ですぐに確認できるカレンダー需要が伸長した。

 

22年版新商品は大判化、新色など

 

 スケジュール管理から、より書き込む方向への需要が増したことから、近年に引き続いてB6やA5などの大判商品の供給も伸びている。
 カラーについても、黒や紺色などの定番ラインアップはもちろん、特に最近は性別の違いなく誰でも使えるような淡い色合いの新商品などが、各社から発売されている。

 

売場をアピールし、新たな購買圏の確立を

 

 コロナ禍による日記・手帳需要の変化や、来店客層の変動に伴い、店頭での売場作りはよりはっきりと日記・手帳コーナーをアピールし、新たな購買圏を確立することが重要だ。書店独自のものや、版元提供の拡材を活用し、効率よく商品を配置し、新規客にも店舗のどこに売場があるかをわかりやすく掲示。また、近年の書き込みやデコレーション需要の高まりに合わせ、万年筆やマスキングテープなどの文具商材との併売も効果的だ。
 長期の売り伸ばしを図る日記・手帳には欠かせない補充や客注についても、各版元が用意する追加送品体制や、トーハンが昨年から発行している店頭のTODOを可視化したツール「365Books」などを活用し、売り損じ阻止と同時に返品率も減らす効率販売を目指し、メンテナンスを欠かさない動的な売り場作りが大事だ。

 


『ビジネスと生活を100%楽しめる! 隂山手帳 2022』
『隂山手帳ライト版 2022』

ダイヤモンド社

 

▲カラーバリエーションは、黒、ネイビー(上)、茶、アイボリーの4種

 

 

▲女性に好評な「ライト版」

 

累計95万部突破!ビジネス手帳の決定版

 累計95万部突破!「左ページは縦型の週間予定表、右ページは丸々メモ帳」という新しいフォーマットを開拓した『隂山手帳』が今年で14周年を迎える。「予定に連動したメモが取れる」「複数の仕事の進捗が一目で分かる『プロジェクト管理表』が便利」「食事、睡眠を管理でき、自己管理に最適」「メモ帳がたくさんあるので、仕事中はこれ1冊ですむ」など、毎年寄せられる読者はがきでも好評。5年、10年愛用するリピーターも多い。昨年より新色のネイビーが加わり、2022年は茶の色みもリニューアル。傷や汚れがつきにくい上質なレザー調カバーは全4色。書きやすい紙質、180度パタンと開く糸かがり製本など、使い勝手の良さにもこだわっている。
 一方、より軽くコンパクトな『隂山手帳ライト版』は、とくに女性に好評だ。毎年変わる表紙の色は、2022年はブルーとエメラルドグリーン、2色のリバーシブル。気分やシーンに合わせて使い分けて楽しめる。いずれも、公私の予定をまとめて管理できるので、充実した日々を送りたいすべての人に満足してもらえる1冊だ。
 □『隂山手帳 2022』/ A5変判/256㌻/定価2200円
 □『隂山手帳 ライト版 2022』/ 四六判/256㌻/定価1430円

 

▲「隂山手帳」は左頁が週間予定表、右頁がメモ帳の構成が人気

 

▲アンケートに答えてくれた方の中から抽選で30名に手帳をプレゼント!

 

「NOLTY」「 PAGEM」

日本能率協会マネジメントセンター

 

「NOLTY」

大人気のポケットカジュアルシリーズ。
アナログの手帳とデジタルのスマホとを併用するなど、
変化するライフスタイルに対応する新しい 3 つのレイアウトが登場

 

タスク管理にぴったり
『NOLTY ポケットカジュアル 7』

 

 

 簡単にスケジュールなどを記入できるフリースペース。中央にある仕切り線はAM/PM、ビジネス/プライベートなどで書き分けをする際に便利。あらかじめチェックボックスが 6 個配置されているのでタスク管理も簡単。
 □153×90ミリ/208㌻/定価1188円

 

ノートのように自由に使える!
『NOLTY ポケットカジュアルメモ』

 

 

 人気のレイアウトがポケットカジュアルシリーズに登場。上部にスケジュール欄、下部に自由度の高い方眼レイアウトを広くとっており、日付を意識しながらもメモ中心に使うことが可能。また、1 マスをチェックボックスとしても使える。
 □153×90ミリ/208㌻/定価1188円

 

1 日の記入スペースが広い!
『NOLTY ポケットカジュアル 2』

 

 

 1 日の記入欄が大きいため、その日の予定やメモ、ToDo まで様々な内容が記入しやすく、自由度に優れる。ライフログとしても使える。右ページの下部にはフリーのメモスペース。週ごとのメモが自由に残せる。
 □153×90ミリ/208㌻/定価1188円

 

「PAGEM」

PAGEM(ペイジェム)は、おかげさまで30周年!

 

PAGEM minette(ペイジェムミネット)』

 

 ペイジェムミネットシリーズ、自分のペースで続けられる「フリーログタイプ」が新登場!
 ページ数は、1 年の約半分の日数が書けるボリューム。日付欄が空欄になっているので、書きたい日に日付を入れて自由に書けるのがポイント。
 □188×133ミリ/208㌻/ 定価1650円

 

『PAGEM グラース』

 

 

 グラースシリーズ、ビジネスでも使いやすい「月曜始まり」が仲間入り!日曜始まりにも新色登場!
 上品な表紙が人気の「グラースシリーズ」にお客様からのご要望にお応えして、「月曜始まり」がついに登場。 また、日曜始まりにも爽やかなブルーが加わって全5品のラインナップに。
 □188×134ミリ/96㌻/定価1540円

 

『鉄道手帳〔 2022年版〕』

創元社

 

 

ユーザー限定「鉄道手帳WEB」を開設

 2008年から毎年発行する鉄道ファンのための専門手帳。「毎日どっぷり鉄道漬け」をモットーに、鉄道情報がぎっしり詰めこまれています。
 巻頭の「全国鉄軌道路線図」は、国内すべての停車場(駅・信号場・操車場)・停留場のみならず、貨物鉄道も掲載。続く週間ページ(ダイアリー)には、車両・列車のデビューや路線開業など記念すべき日や豆知識を記載。さらに巻末には、本手帳オリジナルの資料45ページを収録しています。
 2022年版では新たな試みとして、ユーザー専用サイト〈鉄道手帳WEB〉を開設。ユーザーなら誰でも無料で、路線図や過去資料(300頁)をスマホやパソコンで閲覧できます。
 □B6判/248㌻・クリアカバー付き/ 定価1540円

 

▲すべての鉄道・軌道路線と停車場、停留場を掲載

 

『ユーキャンのケア実用手帳 2022年版』

ユーキャン 学び出版

 

 

いちばん売れているケアマネ&介護職の手帳

 ケアマネジャー(略称ケアマネ)が終日事業所にいる、ということはめったにない。利用者宅を訪問、役所で手続き、病院や施設で打合せ…。事務所を朝出て帰る頃には日も暮れて、お昼は食べそびれていた…なんてこともざらである。困っている人を介護サービスにつなぐため、全国で奔走しているケアマネジャーたち。
 『ユーキャンのケア実用手帳(通称:ケア手帳)』は、そういった現場で汗を流す当事者(現職ケアマネジャー)が仕事終わりの夜に集まり「自分(=ユーザー)はどんな手帳が欲しいのか」の要望に、細部にまでこだわった「介護職専門手帳」である。発刊から早15年だが「毎年使っています」といったユーザーの声は今も同社編集部に届く。
 しかし、編集部に届くのは「使いやすい」などの嬉しい声ばかりではない。むしろ「××はもっと△△にしてほしい」といった要望の方が多い。例年特に多かったのが「アドレス欄を別冊にしてほしい。毎年書き写すのがめんどう」というものだった。ビニールカバーに糸綴製本、スピン2本…。使いやすさ優先だが、それでなくても原価高め…。コスト計算する指にも力が入り、実は何度か挫折した。
 「ジャバラ折なら原価抑えられますよ」と予想外の助け舟もあり、すぐに検討。「何人分書けるかな?」「すぐボロボロにならない紙は?」など、長年の課題をひとつずつ解決する歓びで、現場は明るくなった。
 こうした「生の声」に磨かれた『ケア手帳』は、競合商品の参入を相次いで受けながら、売上冊数1位の座を一度も譲ったことはない。リピーターも多く、ネット書店での売り上げも好調だ。
 10月に入り、いよいよ手帳のシーズン。同社では、「在庫のご確認をお願いします」と呼びかけている。
 □A5判/271㌻/定価1628円

 

ビニールカバー装にスピン2本付きやっと付けられた別冊アドレスは、表紙とおそろいのデザイン

 

月単位の予定と、週単位の予定がわけて整理できるマンスリーページ

 

手放せない理由がこの「サービス別単位表」