ポプラ社はこのほど、全国の子どもたちが作成したPOPを表彰する「2021全国学校図書館POPコンテスト」を開催した。4回目となる今回から初めて、ウェブからの応募受け付けを始めたほか、デジタルデバイスで作成したPOPも表彰対象とした。2月上旬に最終選考会が開かれ、POP王賞やポプラ社賞など12部門(各4点)計48点の作品を最優秀作品に選んだ。

最優秀賞に選ばれたPOP王賞の作品のひとつ
18年に創設した同コンテストは読書推進活動、学校図書館サポート事業の一環として企画。全国の小学校・中学校・高校の児童・生徒に加えて、教員・学校司書も対象に行われている。
同社によると、POP作りは学習指導要領に基づき、多くの学校の授業で採用されている。「海外からも応募したい」「応募の送料が障壁となっている」「学校行事でも展示するため応募できない」などの声があったため、今回からウェブでの応募も受け付けた。また、小・中学校での「GIGAスクール構想」に基づく1人1台端末の配備に伴い、「デジタルPOP」の募集も始めた。
その結果、今回は全国の小・中・高校の計818校から、3万3308点のPOPが寄せられた。前回の644校、2万4862点から大幅に増え、海外からも3校が参加、「デジタルPOP」も約500枚応募があった。

最優秀賞に選ばれたポプラ社賞のひとつ

最優秀賞に選ばれたコンテスト事務局賞のひとつ

最優秀賞に選ばれたデジタルPOP賞のひとつ
最終選考ではこれまでと同様、コンテストのアドバイザーを務める「POP王」こと内田剛氏、ポプラ社の千葉均社長、POPコンテスト事務局員がそれぞれ、「POP王賞」「ポプラ社賞」「コンテスト事務局賞」や、新設した「デジタルPOP賞」など計12部門(各4枚)計48枚の最優秀作品を選んだ。
「得意な方法で本の良さ伝えてほしい」
最終選考会後のオンライン取材で、内田氏は「素晴らしい作品がたくさん集まり、レベルが非常に上がっていることを肌で感じている」と評価。「学校ぐるみで、このコンテストへの意欲が高まっていることも感じた。『コロナ禍だからこそ本を大事に読みたい。そしてその気持ちを伝えていきたい』という先生や、学校司書のみなさんの熱い思いも伝わった」と語った。
千葉社長は「紙の本の良さのひとつに、自分が読み終わった後、誰かにその本を見せながら『これ、すごくおもしろかったよ』とおすすめできることがある」と強調。
同社でも、21年4月から学校向けの電子書籍読み放題サービス「Yomokka!」をスタートさせるなど、学校現場でデジタル化が進むが、「本の良さや面白さ、感動を誰かに伝える方法はたくさんある。文章で、言葉で、絵でそれぞれが得意なことで伝えることができる。その手段のひとつとして、このコンテストをさらに盛り上げ、続けていきたい」と話した。