ファンタジーの名手・村山早紀が贈る
ささやかな、小さな魔法の物語

□四六判/296㌻/定価1760円
【内容紹介】人ならぬ身となり、黒猫メロディとともに空飛ぶ車に乗った律子は、旅先でいろんなひとや妖怪と出会ったり、時にはカフェを開いてお客様に料理やお茶をふるまったり…。2017年本屋大賞ノミネート作品『桜風堂ものがたり』や2018年同賞ノミネート作品『百貨の魔法』、そして「コンビニたそがれ堂」シリーズなど、ファンタジー小説の名手が贈る、ささやかな、小さな魔法の物語。
旭屋書店池袋店 藤田真理子
平凡で穏やかな人生を歩んできた律子は死ぬ間際、魔女となり猫と共に永い時を生きていくことを選ぶ。不思議な力を手に入れても、人を救う方法はささやかで優しい。店名も猫ちゃんも挿絵も可愛い。紅茶を飲みながら読みたい一冊。
レビュアー ぽてち
猫+魔女(魔法使い)+魔法という、村山作品には欠かせない要素が一体となり、そこにペーソスと優しさをプラスした素敵な作品だった。悲しい話もあるが、そうした理不尽さがあふれた現在に、ほっと息を吐ける作品となっていた。
レビュアー
優しい魔法使いの起こす奇跡に身も心も委ね、昔懐かしいメロディ、山里の情景、お弁当の匂いに想いを馳せる。気持ちのよい風が吹き抜けたあと、目を閉じて余韻に浸る。それから、ゆっくりと目を開けて、前を向いて歩き出す。そんな気持ちにさせてくれる物語。
未来屋書店 書店員
魔法が魅せてくれる空飛ぶ車や美味しい料理にも惹かれたけれど、支え合う者たちがつくりだす「幸せの循環」に癒された。限りある人生も続いている限りは「遅すぎる」という事はない。未だ傷付ける事をやめない世界への平和を願うメッセージが詰まった作品。
レビュアー 白石 美香
小さな町で暮らしていた律子に、不思議な事が起こり、魔法が使えるようになってしまう。律子は魔法の力で、出会った人と関わりを持つ中で展開していくストーリー。今の自分の人生を悔いなく、精一杯生きていかなくちゃなと思わせる素敵な物語だった。
宮脇書店本店 書店員
読んでいる間、誰かにずっと抱きしめられているような気がしました。時折くすっと笑ったり「あ、それ美味しそう」と喉を鳴らしたりしているのにも関わらず、どういう訳か読んでいる間、ずっと涙が止まらないのです。けど、それがひどく心地よかった。
レビュアー フラン
今までの村山先生の作品と一味違い、先生と同世代の律子が主人公で、更に一人語りが中心なので、先生の今の感性を感じ取れる作品でした。また、戦争に対する考えなど、こちらも考えさせられる内容もあり、夢ある有意義な読書体験でした。
教育関係者 monaka
人々の愚行に憤り、他人の不幸に心を痛めながらも、その営みを愛し見つめ続ける作家ならではの作品です。今現在自分の将来や人間関係に悩む人、かつて魔法少女や不思議な冒険に憧れた、すべての少年少女だった人たちに。
水嶋書房金剛店 浦辺 千栄子
律子と同年代の私にはいろいろ刺さった。今までの来し方を考えたり、先を思いやったり。律子は早紀先生かもしれない。善い魔法使いとして、世界を見渡し物語を紡ぐ。先生の物語がみなにとって善き福音となりますように。
フリーPOP職人 こな・つむり
ずっと物語の中を漂うように心地よく旅をしていたくなるような作品。美しい歌声や、ピアノの旋律も文章から聞こえてくるよう、五感で楽しめる読書でした。急いで一気読みするより、ゆっくりじっくり味わうように文章を楽しんで欲しい作品。
