ジュウイッテンニーサン!
11年ぶりの復活!「本屋プロレスagain」
in伊野尾書店レポート!

▲嵐の前の静けさの様相を呈す伊野尾書店/伊野尾店長
本屋プロレス…それは11年前の2008年4月、東京都新宿区の中井駅前に店を構える、わずか17坪の伊野尾書店で、店主の伊野尾宏之店長がプロモーターとなり実施した、町の本屋によるプロレスイベント。大社長・高木三四郎率いるプロレス団体DDTプロレスリングのレスラーが店内のみならず、路上に飛び出し、熱戦を繰り広げた「伝説」のイベントだ。その後、DDTは商店街、野球場、工場など、「リングではない」さまざまな場所でプロレスを開催、「路上プロレス」と銘打ち、DDTの名物となった・・・しかしすべての始まりは、この伊野尾書店からスタートしたのだ。その「本屋プロレスagain」が11月23日、伊野尾書店で復活!小雨が降りしきる中、高木三四郎&上野勇希&吉村直巳VS青木真也&勝俣瞬馬&納谷幸男の6人タッグマッチで行われた試合をレポートする!
【 試 合 前 】
出版業界の有志も応援!17坪の本屋に人が溢れかえる!
18時頃、運営スタッフが集まりミーティング。19時頃にはDDTのレスラーも到着。パイプ椅子や長机など、プロレスの定番アイテムもいつの間にか用意されていた。そして開始30分前には、町の本屋とは思えないほどの人で溢れ返っていた。

今回、徳間書店が高木大社長の『年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで』を刊行。そのプロモーションも兼ねてのイベントだ。

試合前でも快く撮影に応じてくれた高木大社長。その手にはなぜか樹木希林の『一切なりゆき』が。

伊野尾書店、徳間書店、また出版業界の有志が応援スタッフとして集まり、当日の会場設営・運営にあたった。

店内脇にはプロレス関連本を販売。出場レスラー吉村がオススメする湊かなえの『告白』も並んでいた。
【 試 合 中 】
エプロン着用!自動販売機からのムーンサルト・アタック!
お決まりのエプロン姿で、各レスラーがテーマソングに合わせて登場。ちなみに青木のテーマソングはウルフルズの「バカサバイバー」。このときの音響も、実は伊野尾店長自身が担当していた。
▲肉弾戦を繰り広げる吉村(左)VS納谷。激しい音が店内に鳴り響く
青木(下)を力でねじ伏せる高木大社長。この後、熱戦は「路上」へとなだれ込む▲
▲長机に横たわる相手選手にボディプレスを食らわそうと、脚立からダイブする勝俣
自動販売機の上で客を煽る上野。この後「ムーンサルト・アタック」をお見舞いする▲
【 試 合 後 】
勝利した高木大社長!「どんな本屋でも行く!」と宣言
雨の中、勝利を手にした高木大社長。汗と泥と雨にまみれた身体で、勝者会見に臨む。 最後には自身のテーマソング「FIRE」をファンと一緒に大合唱!

開始から13分44秒、高木大社長が勝俣をパイプ椅子に沈め、3カウント!そして勝利のガッツポーズ!

インタビューで高木大社長は
「本屋さんなど小売店は大変。それはうちも同じ。この本のプロモのためなら、どこの本屋にでも行く!」と呼びかけた。

試合終了後にはサイン会も実施。
試合中とは打って変わって、和やかな雰囲気に包まれた。
取材後記
とにかく熱気に満ちた一夜だった。今回の「本屋プロレス」を可能にしたのは、言うまでもなく伊野尾さんの本屋とプロレスへの熱い思いがあるからこそだ。試合前、道を挟んだ向いのお店に迷惑をかけてはいけないと帽子を脱いで説明にあがった伊野尾さん。当日、参加した応援スタッフも、前日から続く雨のなか、合羽を着て「自転車、通りまーす!」、「道を空けてくださーい!」と声を張り上げていた。みんな「本屋プロレス」を成功させたいと集まった人たちばかりだ。伊野尾さんは「本屋プロレスはレスラー、スタッフ、お客さん、近隣の人、みんなの協力で成り立っている」と何度も言っていた。DDTのTシャツを着た伊野尾さんの後ろ姿がかっこよくて、つい写真を撮ってしまった。その後ろ姿は今でも目に焼きついている。(山口高範)
