田口幹人

「本屋」とはなんだろう その2

#5月18日

「本屋って何だろう?」という問いに対する僕の考え方とそこに行きつくまでの考察は、拙著『もういちど、本屋へようこそ』(PHP研究所)の第5章に記してあるので、詳しくはそちらをお読みいただけたらと思う。 一言で本屋と言っても、多くの人の日常的なニーズに応える総合書店、それぞれの地域のニーズに応える品揃えとサ―ビスを重視した街の本屋、様々な販促やイベントを開催するなど書店を出合いの場として発信する書店、…続き

「本屋」とはなんだろう

#4月20日

本屋業界に身を置くようになり今年で26年目を迎えた。この間、1冊でも多くの本を売るためにできることを考え続けてきた。一方で、ずっと考えていたことがある。「本屋」とはなんだろう、という問いだ。 様々な仮説を立てながら、街には本屋が必要だと言い続けてきたが、自分自身ストンと腹落ちできる仮説を立てられずに本屋の現場を離れて1年が過ぎた。毎日本に触れることのできない環境は寂しいが、本屋を別の角度から考える…続き

天国の本屋

#3月4日

 岩手県一関市にある北上書房を訪問中に伊藤清彦氏が急逝されたとの知らせが届いた。2月末にお会いする予定をしていただけに、信じられないというのが正直な気持ちだった。 伊藤さんは、僕にとって人生の師だった。紆余曲折あった26年の書店人生の節目には、必ず伊藤さんがいた。どんなに頑張っても教えられた以上のことはできず、ずっと背中を追い続けてきた目標そのものだった。 伊藤さんは岩手県盛岡市のさわや書…続き

本との出合い

#2月6日

 最近、店頭のPOPについてネット上で話題となっていた。以前から全く変わらない論調で賛成派・反対派それぞれのPOPに対する考えが書き込まれていたのを目にした。十数年前と同じ議論が繰り返されていることにびっくり。 僕が勤めていたさわや書店フェザン店は、派手なパネルやPOPをたくさん活用した店だった。肯定的な言葉もたくさんいただいたが、逆に批判的な意見もたくさんいただいた。 POPを一切活用しない店、…続き

読書の愉しさ

#1月9日

2019年は、ここ10数年間のうちでもっとも多く本を読んだ一年だった。皮肉にも、書店の現場を離れた方が本を読む時間を確保できたことになる。この一年は、自身の本の読み方と向き合った一年でもあった。書店員時代は、「誰かの本との出合いをどの様に作るか」だけに主眼を置いて本を読んできた。それは、5W1Hというフィルターをかけて本を読んできたと言えるのかもしれない。 Who(だれに向けて)・When(いつど…続き

書店空白地域に本屋を

#12月3日

前回まで、「読書教育と本屋」について書いてきた。地方において、外的環境に左右されない持続可能な本屋の姿とは何か。書店員として24年間を過ごす中で、地方における本屋との関わりについて考え続けた末に辿り着いた結論の一つがそこにある。 Foyer(ホワイエ)という仕組みをご存じだろうか。出版取次会社・旧大阪屋栗田(現楽天ブックスネットワーク)がリリースした、一冊からでも本を卸売りする新しいサービスだ。出…続き

田口幹人さん

読書教育と本屋 その2

#9月23日

 先月に引き続き、今月以降も読書教育に本屋として関われることはないかを考えてみたいと思う。 皆さんは、「なぜ、若い時に本を読んだ方がいいのか?」という問いに対する答えを用意することができるだろうか。 若者の読書離れが叫ばれるようになり、40年が経過した今、本を売ることと同じぐらい、この問いと向き合う必要があるのではないかと感じている。 生活の中に読書がある人達、いわゆる読書生活者を増やすためには、…続き

田口幹人さん

読書教育と本屋

#9月2日

 本屋という空間は、本に関わる全ての人たちが、本を通じて交流している。本を書く著者、本を作る出版社、本を流通させる販売会社、本を読む読者は、本屋という空間で、本という媒体を通じ交わってゆく。著者と出版社は、本という媒体を作り出すことができる。読者は、その媒体に触れることで、何かを調べたり、自身の中に様々な感情を作り出したり、視野と見聞を広める読書という行為で本に関わる。 本に関わる人達において、絶…続き

田口幹人さん

若者の読書離れ

#8月5日

 はじめて若者の読書離れという言葉が使われたのは、20歳の大学生を対象とした読書調査の結果を取り上げた1977年東京新聞の記事だと言われている。 それから42年の時が流れ、その時20歳だった若者は定年を迎えている。その間、若者の読書離れは続き、今では現役世代全ての人が読書離れ世代ということになる。 本が売れなくなるわけだよな。 僕は今、大阪市阿倍野区にあるリーディングスタイルあべの店を拠点として働…続き

田口幹人さん