ハロウィンも終わり、11月からクリスマス・年末年始商戦に乗り出す書店も多いだろう。そこで今回、プレゼント・ギフト需要を見込み、
子ども向けの人気学習マンガシリーズ6点を紹介する。
映画化やキャンペーンなど、各社それぞれの方法で話題をつくり、
書店への誘引、販売促進に注力する。
ぜひおすすめのギフト商材として参考にしてほしい。
「科学漫画サバイバル」シリーズ
(朝日新聞出版)

人気No.1学習マンガシリーズ
多様なフェアに対応できるラインアップ
朝日新聞出版刊行の「科学漫画サバイバル」シリーズは、
通算68点、累計発行部数900万部の人気学習マンガシリーズ。
小学生男女を問わず好評で、毎日新聞社の
第65回学校読者調査によると、小学生が好きな本として
第1位になるほどの人気ぶりだ。
当シリーズは「深海」などの自然系、「人体」「新型ウィルス」などの人体系をはじめ、幅広いジャンルを網羅しており、巻数順での多面展開はもちろん、各書店の顧客ニーズやフェア企画にそった商品を厳選して販売することも効果的だという。編集担当の橋田真琴氏は「あらゆるテーマを扱っているので、時事や旬な話題など、多様なフェアに対応できるのが当シリーズの特徴」と話す。なお台風被害の多い昨今では、環境・災害系ジャンルの「台風」が動いているという。
当シリーズは子ども自身が買いたいと思い、購入されるケースが多く、また学校図書館が初見であっても、その後は貸し出し中であることが多いことから、書店での購入につながっているという。当シリーズがここまでの人気シリーズになった理由のひとつとして、書店店頭での地道な販売が身を結んだと言えるだろう。
クリスマスシーズンに向け、期間限定の拡材や店頭でのおみくじなどの施策も用意。さらに12月上旬には「飛行機」の第2巻など、最新刊の刊行も控えており、年末年始にかけてさらに売り伸ばしを図る。
「ねこねこ日本史」シリーズ
(実業之日本社)

女の子人気で差別化図る
トレカ、ポチ袋などキャンペーン実施
実業之日本社刊行の、そにしけんじ氏による
「ねこねこ日本史」は、コミックス版やジュニア版、学習版など、
シリーズで累計24点・発行部数100万部を突破。
E-テレでもアニメ化され、来年2月に映画公開が
決まっているほどの人気シリーズだ。
なかでもジュニア版は、コミックス版の内容をそのままに、より詳細な解説を加筆。さらにふりがなをつけ、判型・文字を大きくするなど、読みやすい工夫を凝らし、児童書の定番商品として好評だ。
また一般的な歴史ものの学習マンガとは異なり、小学校低学年の女の子からの支持が厚く、編集を担当した滝広美和子氏は「かっこいい系ではなく、そにしさんのかわいらしいタッチが好評で、その点で差別化できている」と話す。
滝広氏のおすすめは、『マンガでよくわかるねこねこ日本史ジュニア版』の第1巻で楽しんでもらい、歴史解説に特化した学習版『ねこねこ日本史でよくわかる日本の歴史』で、より踏み込んだ内容を、楽しみながら学んでもらいたいという。
また11月から新刊・既刊合わせて30冊以上を注文した書店で、購読者キャンペーンとしてトレーディングカードがもらえるクイズラリーを実施。さらにはクリスマスシーズンに向け、購入者特典用の「クリスマス&お正月用ポチ袋」と「特製ステッカー」も用意している。
11月上旬には学習版の最新巻の発売、さらには来年2月にはコミックス版最新巻の刊行に加え、坂本竜馬を主役にすえた映画公開も決まっている。
「学習まんが 日本の歴史」シリーズ
(集英社)
新ケースは『キングダム』の著者・原泰久氏が描いた「徳川家康」が目印
集英社は、『全面新版学習まんが日本の歴史2020年版特典付き
全巻セット(分売不可)』を発売した。
新しいセットケースは『キングダム』の著者・原泰久氏が描いた
徳川家康が目印となっている。
購入者の特典は『はって楽しむ! 日本史イラストマップ』を用意。表面は「訪ねてみたい! 43の城と49の祭り」を、特徴を捉えたイラストアイコンで紹介し、旅行計画の際にも活用できる。
裏面の「歴史をつくった偉人たち」 は、当シリーズ本編と歴史の教科書に登場する偉人を、ゆかりの深い都道府県に配し、「イラスト&ひとこと説明」をそえる。豪華両面仕様・A2判のサイズで合成紙製のため、風呂場に貼ることも可能だ。
なお数量限定となっているため、早めの注文を呼びかけている。
本編全20巻は、同社各誌で活躍中のまんが家がカバーイラストを描き、1巻は『NARUTO』の岸本斉史氏による卑弥呼、 2巻は『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦氏の厩戸王(聖徳太子)など、個性的なラインアップとなっている。
全20巻中、近現代史が8巻あり資料ページも充実。総ページ数、カラーページ数を増量しているが、1冊あたり40グラム軽量化した。
全20巻一括購入で、2冊分(2000円)が得する特別価格となっている。
「日本史探偵コナン」シリーズ
(小学館)

日本史コナンの続編発売 レアグッズが必ずもらえる
小学館は10月9日、青山剛昌氏原作の人気シリーズ
『日本史探偵コナン』(全12巻)の続編となる
『日本史探偵コナン シーズンⅡ』(全6巻)の発売を開始した。
全12巻の完結から1年、シリーズ累計139万部超となっている続編では、恐竜・古墳・戦国・江戸・幕末・大正の各時代を取り上げ、名探偵コナンがナビゲートしながら、歴史の難事件を解決していく内容。
今回発売したのは1巻の恐竜と2巻の古墳で、第2回配本の3、4巻は11月6日に発売する。
コナンと少年探偵団が、歴史上の数々の難事件を乗り越えるストーリー以外にも、コラム「コナンの推理ノート」は読んでためになる歴史知識を満載している。
全ページオールカラーで、すべての漢字にフリガナを付け知識ゼロからでも楽しめる『歴史エンターテインメントまんが』となっているため、子ども、孫に向けてのプレゼント用として勧められる。
現在、2冊購入して応募すれば他では手に入らない超レアグッズ「時の通行証(カードホルダー)が必ず当たる、プレゼントキャンペーン」を実施している。締切は2020年2月20日(当日消印有効)。
既刊の全12巻と、外伝(アナザー)4冊(将棋編・国宝編・刀剣編・忍者編)も好評で、こちらも併せてギフト対象商品として推奨する。
読者プレゼントの「時の通行証」
「マンガでわかる」シリーズ
(池田書店)

「歴史」「古典」など豊富なラインアップ幅広い層から支持
池田書店の「マンガでわかる」シリーズは、「百人一首」「日本の歴史」「源氏物語」などの古典や歴史ものから、「統計学」や「地政学」まで、多様なジャンルを取り揃えており、幅広い層から支持されているという。
マンガだけでなく、図版や図解などを多用していることから、わかりやすく、かつ理解を深める工夫を凝らしており、規模の大小を問わず、シリーズをまとめて展開する書店も多い。なお『マンガでわかる世界の英雄伝説』は、アーサー王や安倍晴明などを紹介しており、アニメやゲームなどに登場する偉人や英雄も収録していることから、子どもからも支持されているという。
「マンガ日本の古典」シリーズ
(中央公論新社)

レジェンド作家たちが日本古典をマンガ化
全巻セット購入でトートバッグをプレゼント
中央公論新社が刊行している『マンガ日本の古典』は、石ノ森章太郎の「古事記」や水木しげるの「今昔物語」など、22名の大御所作家たちが日本の古典をマンガ化したベストセラーシリーズ。刊行から24年が経った今でも人気を博しており、とくに今年の2月から実施している、東大クイズ王として知られる伊沢拓司氏を起用したフェアが好調。同氏の推薦オビに変えてから25万部を重版し、現在シリーズ累計380万部を超えている。
全32巻が収まるケース付きセットも発売し、全巻セットの購入者にケースごと入る特製トートバッグのプレゼントも実施している。