スパイオタク・池上彰氏が読み解く
「わかりやすい解説」でおなじの池上彰氏。実はスパイオタクだと知っていましたか。中学生の時から、イアン・フレミングの『007』シリーズや、ジョン・ル・カレの『寒い国から帰ってきたスパイ』などのスパイ小説に親しみ、「スパイ好き、スパイオタク」なのです。これまで多くの時事解説をしてきた池上氏が、今回初めて語りました。東西冷戦時代が終わった時、「これでスパイ小説の書き手は失職する」と言われたそうですが、昨今、ロシアのウクライナ軍事侵攻や米中対立などで「新しい冷戦」という言葉が生まれています。また、AIやITの進化で情報戦は激しくなるばかりです。そんな「現代史の裏側」を、情報戦、スパイ合戦を通じて、楽しみながら深く理解できる1冊です。

日経BOOKSユニット第1編集部 木村やえ氏

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ロシアによるウクライナ侵攻が始まる約3カ月前、「ワシントン・ポスト」が情報機関によるとして「ロシア軍が新年早々ウクライナに侵攻する準備」と報じ、侵攻直前にはバイデン大統領が「まもなく軍事侵攻しようとしている」と声明を出した。偵察衛星による分析に加え、ロシア軍内部にいる米国スパイによる情報の裏打ちもあって、米国はロシア軍の行動を読み切っていた。
国際情勢を分かりやすく解説することで定評のある池上彰氏が、本書ではウクライナをめぐる諜報戦を手始めに、スパイとは何か、冷戦時代のスパイ合戦、現代のサイバー空間での攻防、日本のインテリジェンスの実力など、「新しい冷戦」時代のスパイ戦を読み解く。各国しのぎを削るスパイの姿に圧倒される。
池上氏がスパイオタクだということは、本書を通じて初めて知った。これまで多くの書籍を刊行してきた池上氏の知られざる一面を垣間見ることができる。池上氏のファンはもとより、スパイ好きや世界史に興味を持つ読者に向けて、書店店頭では多面展開をお勧めしたい。初刷は12,000部でスタート。刊行直後の日経新聞での広告が後押しし、初速は好調で、発売1週間で5,000部の重版が決まった。3月中~下旬にも全国紙・交通広告等で増売を支援する。