- 星野渉 -

【世界の書店を見て見よう】アメリカ ~書店員が選ぶお薦め本~

アメリカで独立系書店に入ると、最初に目に付く場所にあるのが「STAFF PICKS」という棚であることが多い。日本の書店だったら「今週のベストセラー」といったランキングのコーナーにあたるような場所だ。

 「ランキング」のトップは多くの場合、メディアに取り上げられた本や、売れ筋作家の新作だったりして、書店による差が出にくい。それに対して、「STAFF PICKS」=店員が選ぶ本は当然、店によって全く違う。

 アメリカの書店は今後発売される新刊も含めてすべての本を選んで仕入れる。その分、配本によって新刊が送り込まれる日本の書店よりも個性が出やすい。しかも、小規模な独立系書店は近年特に、大手チェーン書店やアマゾンなどに対抗するため、個性や地域性を強調するようになっているようだ。