- 湯浅の眼 -

「ハレ」と「ケ」

 2月~4月の売上に続き、10連休という初めてのGWでの売上も前年比を超え、少しくほっとするところである(明けの売上がやや心配なところではあるが)。さてそのGW中、4月28日には谷根千で不忍ブックストリート、5月3日〜5日では上野の森親子ブックフェスタ、また5月6日には文学フリマといった、本に関するイベントが行われていた(他にも多数行われていたと思う)。

 これらのイベントへの集客は非常に多く、「まだまだ本も捨てたものじゃない」といった論調になる(あるいはそうしたい)ことも理解できる。しかし注意しておかねばならないことは、これらの「イベント」は「ハレ」であって、「日常」、すなわち「ケ」ではないことだ。不況であるときはつねに「イベント」、「祭」がカンフル剤として投入される。これは経済施策としては当然の方法であるが、その「イベント」が「日常」となってしまうと、その効果は切れてしまう。つねに注意しておかねばならないのは、「このイベントでの事象をどのようにして日常に還元するか」という視点であろう。

 その典型例が、上野でのレジ問題にあったと思う。天候にも恵まれ、3日間の売上トータルは過去最高の約4203万円であったそうだ。3日間各日の売上までは知らされていないが、初日に偏った売上であっただろう。20%引きとはいえ、レジ待ち30分は、小さな子どもが飽きてしまう以上に、熱中症の危険を感じざるを得ない状況であった(個人的には20%でされる割引額と30分待ちによる失われるコスト(体力と時間)は果たして釣り合っているのだろうか、と不思議に思って眺めていた)。

 この問題は前年以前においても指摘されていたことであり、レジの位置を集中的に持ってきた(いわゆる集中レジ)、というのがその1つの考えだったのだろうが、それは従業員が足りない場合の業務効率化(もしかすると図書カードの処理の問題が含まれていたかもしれないが)であって、今回のようにレジ打ち要員が不足しているわけではない場合には失敗の施策である。ここはQRコードに代表されるキャッシュレス決済を各ブースに導入し、現金または図書カードのみ従来型のレジにおいて行う、とすれば、QRコード決済業者の宣伝も込みで考えればコストもほぼかからずに導入可能だっただろう。もちろん、今年はうまくいかなかったとしても、次年度以降に導入していけばよいだろう。このように、「ハレ」を「ケ」にどのように還元するか、これが日々問われている。